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の 乗(ぜろのぜろじょう、)は、累乗あるいは指数関数において、底を 、指数を としたものである。通常、指数関数 は実数 と に対して定義されているため、 はこの意味では定義されていない。その値は、指数の が「非負整数の 」であるような場合には、 と定義しておくと便利であることが多い一方で、「実数あるいは複素数としての 0」であるような場合には、例えば二変数関数 を考えれば分かるように、自然な定義は存在しない。 == 背景 == 実数 のは、素朴には、 個の を掛け合わせたものである。厳密には、次のように再帰的に定められる。 : 乗を定義する際は、関係式 ( *) が でも成り立つように定めるのが自然であると考えられる。( *) に を代入すれば、 すなわち となり、両辺を で割って となる。つまり、 のときには、 とすることで累乗を自然に拡張できる。(同様にして、負の整数 に対しても、 と定義することによって自然に拡張できる。) 一方、 の場合は は となってしまうため、 がどんな値であっても両辺とも で等式が成り立ち、この考え方で0の0乗の値を定めることはできない。 のときに なのだから のときも と定義してしまえばいいと考えることもできるだろう。実際、後述のように、 という定義が便利な局面も多い。任意の空積(「0個の数の積」)を と定めるのもこの考え方である。 冪指数の範囲を整数全体まで拡張すれば、 のときに関係式 ( *) を保つ(すべての整数 で成り立たせる)ことが、 のすべての整数乗を と定義することのみによって可能である。しかしそうすると、例えば のときに であることと整合性が無くなる。後者の意味では、 の 乗は とし、 の負の整数乗は未定義としておくのがよいであろう。 次に、指数が実数の場合を考えよう。正の実数 に対し、上述のように の整数乗が定まり、 や が任意の整数 に対して成り立つ(指数法則)。詳細は省略するが、この関係式が成り立ったまま指数を有理数、さらには実数へと(連続関数として)拡張することができる。また、 の正の実数乗も、同様の理由により と定めることができる。このようにして、正の実数の実数乗や の正の整数乗は定められるのであるが、これをより広い範囲に拡張しようとすると、問題が生じる。例えば、任意の正の実数 に対して である一方、任意の正の実数 に対して であるから、 をどのように定めても は原点で連続にならず、この意味で を自然に定めることはできないのである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「0の0乗」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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